【核融合炉#3】激光XII号

管理人が興味を持っている核融合炉について紹介していく。
本投稿が第三弾。
 
1.名称由来
大阪大学レーザー科学研究所の初代所長が決めたと言うが、詳細は不明。
なお、「激光」は中国語で「レーザー」を意味する。
XII号は、12本のレーザーを使用することから命名
 
2.概要
慣性核融合のうち、レーザー核融合に分類される。
1983年から運転開始。
 
Fig.1 激光XII号 レーザー屋
 
 
Fig.2 激光XII号 チェンバー室
 
 
3.主要諸元

激光XII号レーザーの基本性能は、以下の通り。

ビーム数 12ビーム
ショット数 3 – 4 ショット/日(12ビーム同時照射の場合)
波長/照射配位 1053 nm or 527 nm(チャンバー室I)
1053 nm or 527 nm or 351 nm(チャンバー室II)
パルス幅 0.1 ns – 4 ns
エネルギー 1000 J/beam (1053 nm/ > 1.2 ns)
500 J/beam(527 nm/ >1.2 ns)
250 J/beam (351 nm/>2.0 ns)
エネルギーは目安です。レーザー条件によって変わります。
レーザービーム径 30 cm
集光レンズF値 F/3
コヒーレンス制御 コヒーレント光・二次元スペクトル分散法(チャンバー室I)
二次元スペクトル分散法・部分コヒーレント光(チャンバー室II)
集光パターン制御 ランダム位相板(チャンバー室I)
キノフォルム位相板(チャンバー室II)
出典:大阪大学 レーザー科学研究所 公式HP
 
4.ポイント
・慣性核融合炉の実験機の筆頭。
核融合反応を起こすための目標である固体密度の1000倍は、すでに達成。(https://www.jstage.jst.go.jp/article/lsj/38/1/38_29/_pdf)
 次は、目標温度10keVを達成することが課題。
・名前がかっこいい。漢心をくすぐる。口に出してみたい。